ひまわり法について About Himawari Method 膝蓋骨骨折とは 膝蓋骨とは 膝関節の前にあって膝を外力から守るとともに、大腿四頭筋の力を膝蓋腱を通して下腿に伝え、膝を伸ばす(膝伸展機構)役割をしています。 膝をついて転倒したり、高いところから落ちたり、交通事故等で直接大きな力がかかると膝蓋骨に骨折をきたします。 膝蓋骨骨折の多くは単純にふたつに割れる横骨折とされています。K-wireを2本平行に刺入してワイヤーで締結するTension band Wiring(TBW)が標準的な治療法です。しかし、実際には単純な横骨折に見えても、骨片が粉砕していることは多く、TBWだけでは十分な固定ができず、何らかの固定を追加しても、リハビリ中にインプラントが破綻したりすることがあります。 ひまわり法とは ひまわり法とは 、このような粉砕骨片を強固に固定するために、ピンスリーブを膝蓋骨の周囲から放射状に刺入して、スリーブに通したケーブルを締め上げることで強固に固定する手術方法です。固定した後の様子がひまわりの花が咲いているように見えるのでひまわり法と命名しました。ひまわり法は、粉砕が強くても強固な固定ができるため、術直後から積極的なリハビリを行っても、経過中に固定が破綻するトラブルが少ない利点があります。 最初の症例は1999年7月に新日鉄広畑病院で行われました。それから20年余りで250例以上の症例を重ねて、安定した成績を残してきました。国内でも多くの学会や研修会を重ねて広く知られるようになったと思われます。 究極のひまわり法を目指して ただ、当初はTBWのために開発された器械であり、改良して海外にも販売できる物を作りたいと協力を求めましたが願いはかないませんでした。そこで今回ひまわり法のために改良した新たなピンスリーブを開発しました。ピンとケーブルをひと回り小さくし、手術器械も操作性を上げて使いやすくしています。 Helios Locking Pin Sleeve System 膝蓋骨は膝伸展機構の中心的な役割をするため「太陽」=Heliosを冠して、Helios Locking Pin Sleeve Systemとしました。 今後はHeliosが、ひまわり法の正しい手術手技を伝えていく使命を担っていきます。